私は専門特化派ですが…
数多くの手続きを扱える行政書士ですが、その数の多さゆえになれない業務の依頼を受ける機会も出てきます。そうなると一から調べたりでとにかく時間がかかります。
そんな中で行政書士として選べる選択肢は大きく分けて2つあると思います。手続き何でも屋型か専門特化型かです。どちらが良いのか?いろいろな意見を目にすると思います。
私自身は現在建設業許可業務に9割方専門特化しており、地方でありがちな農地に関する手続きなどはほかの行政書士さんを紹介して対応することがほとんどです。
やはり、一つの分野に専門特化することで効率が上がります。書類の作成スピードが上がりますし足を運ぶ役所窓口もほぼ固まりますから移動も効率化します。また専門的な知識を得ることで他ではできない高難度の業務も扱えるようになりますし、知識が浅いと見落としがちな点も気づけるようになるので業務上のリスクというのも低下します(個人的にはこの点がメリットとして大きいです)。
ですが、地方で専門特化戦略が有効かというとそう簡単な話ではないように思います。
地方で専門特化はいばらの道かもしれません
地方で開業するデメリットにて書きましたが、地方で専門特化するのは難しいと思います。都会だと人口が多いため特定の業務の数もそれなりにあるでしょうが、地方だと人口が少ないわけですからそれに比例して特定の業務の数も少なくなるでしょう。そのような中で特定の業務だけで事務所を回していこうとするとこれがなかなか難しいという現実に直面すると思います。
私は現在建設業許可業務に特化できていますが、それもここ数年でようやくそのような状態になったというのが実態でして、建設業許可業務を最初に取り扱った時の依頼数は1年間に2件の新規申請だけでした。これではとてもではありませんが専門特化なんてできないですね(笑)
建設業許可業務だけで食えるようになるまでは来た業務は基本的に受けていました。建設業許可以外の営業というのはほとんどしなかったので頻繁に来たわけではありませんでしたが、慣れない業務で非効率だろうが暇で仕事がないよりはましですから今では自分ではやらない業務も受けていました。
地方でも専門特化は可能ではあるのですが都会と比べて時間はかかるのでないかと考えています。専門特化したい業務をPRしていく一方で、来た業務は何でもやりながら食いつなぎながら、専門特化でやっていけるように地力をつけていくことになると思います。長期戦です。
場合によっては、行政書士以外にアルバイトをしてでも行政書士として市場にとどまり続けるという選択肢もあると思います。
大変だとは思いますが地方で専門特化できるようになるとその地方では非常に強力な存在となれるはずですから地方で専門特化を目指す価値はあります。
一方で何でも屋として地域での存在を確立させるのもありだと思います。あえて専門特化せずとも田舎ではちゃんと許認可に対応してくれるというだけで非常に頼りになる存在だからです。
そもそも行政書士業務だけでバリバリやっている人が田舎ではそれほどいなかったりします。例えばうちのまちでは行政書士メインでやっているところは私だけですし、私も許認可を幅広く対応できるわけではありません。隣接している自治体の行政書士が私の地元の行政書士業務を担っているのです。
地方は特定の業務に絞ると案件数は都会に負けてしまいますが、一人当たりの行政書士業務(業務がこなせるかどうかは横に置いておくとして)という点で見ると思ったより多いものなのです。
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