剪定や草刈りは造園工事の実績や実務経験になりますか?

造園業を営んでいます。建設業許可を取りたいのですが剪定等の維持管理業務は建設工事なのでしょうか?

剪定等の維持管理業務は建設工事ではないので建設業許可書類作成の際は注意が必要です

行政書士 齋藤

建設工事としての造園工事とは「敷地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園緑地等の苑地を築造する工事」とされています。例示として「植栽工事、地工事、景石工事、地こしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事」 が挙げられています。

造園業では、剪定、除草、肥料やり、清掃などの業務も日常的に行われているでしょうが、これら維持管理業務は建設工事とは言えません。役所の手引き等でも建設工事ではないものの例としてよく挙がっています。たとえ、案件名に「工事」という言葉がついていても建設工事となるわけではありません。

樹木伐採についても植栽は建設工事なのだから、伐採も該当しそうな気もしますが、木を切るだけでは建設工事には該当しないと思われます。ただし、整地作業まで一式で請け負うようであれば建設工事となる可能性が出てくるでしょう。

造園業を営んでいてもほとんど維持管理業務だけしかしていない場合は、建設業許可を取れる条件を満たしていない可能性もあるのでご注意ください。すでに述べましたように維持管理業務は建設工事ではないのでこれをいくらやっても建設業許可で必要な経験としてはカウントできないのです。

建設業許可を取っていない場合、建設工事と言える造園工事も維持管理業務も区別せずに処理している造園業者さんが圧倒的多数と思われますが、許可申請書を作成する際は、区別したうえで書類を作成しないといけません。具体的には、工事経歴書や実務経験証明書をまとめる際は、剪定等の業務を入れないようにしないといけません。仮にこれらが書類に書かれていれば作り直しを求められるでしょう。建設業の財務諸表作成にあたっても維持管理業務は建設工事以外の兼業として書類を作成する必要があります。

そして、許可を取得した後も毎年工事経歴書や財務諸表を作成していくことになりますので、可能な限り建設工事と維持管理業務は分けて集計していくほうが良いでしょう。